2025年5月、埼玉県三郷市で起きた痛ましい事件。
朝の通学時間、小学生4人が車にはねられ、加害者はそのまま逃走。現場は騒然となり、街には動揺が走りました。
加害者とされるのは、中国籍の鄧洪鵬(42)。
SUVを運転中、歩道を歩く小学6年生の男子児童4人を次々とはね、救護することなく車を走らせ逃走。
数日後、ようやく警察に出頭し逮捕されました。
「なぜ彼はその場を逃げたのか?」
人として当然の“救助”よりも、“逃走”を選んだ理由には、想像以上に複雑で人間臭い背景が隠れていました。
■ 理由その①:飲酒運転の発覚を恐れた
この事件を語る上で避けて通れないのが、「酒」。
報道によると、鄧容疑者は事故前、三郷市内の飲食店で酒を飲んでいた疑いがあります。
つまり――そう、飲酒運転。
日本の道路交通法では、飲酒運転は非常に重い罪です。
しかもそれがひき逃げに発展した場合、下手をすれば実刑確定。そして外国籍の場合、強制送還や再入国禁止といった、人生を根底から揺るがす事態も想定されます。
鄧容疑者は、そのリスクを肌で感じていたのかもしれません。
酒を飲んだこと、事故を起こしたこと、それがすべてつながって発覚すれば、「すべてが終わる」と。
逃げるという選択肢が脳内で一瞬にして“合理的”な判断にすり替わってしまったのでしょう。
■ 理由その②:逃げることで時間を稼ぎたかった?
この事件で注目されたのは、事故から出頭までに4日間あったということ。
なぜ即日ではなく、あえて数日を空けたのか。
これ、実は“飲酒”が関係している可能性が非常に高いんです。
アルコールは時間と共に体から抜けていく。
事故直後に逮捕されれば、呼気検査などで「酒気帯び」「酒酔い」運転がバレる。
でも数日経てば、証拠は消える――。
つまり、「逃げて時間を稼げば、重罪を避けられるかもしれない」と考えた可能性があるわけです。
これは“計算された逃走”とも言える行動。
事故直後のパニックではなく、逃げ続ける中で冷静さを取り戻し、“傷を最小限にとどめよう”とする心理が働いたのかもしれません。
■ 理由その③:外国籍という立場の脆さ
鄧容疑者は中国籍。
日本における在留資格や就労制限など、外国人が日本で生活する上での“リスク”は少なくありません。
もし今回の事件で飲酒運転やひき逃げが発覚すれば、行政処分だけでは済まされず、人生そのものが日本で立ち行かなくなる可能性があります。
「逮捕されたら、仕事も家族も国も、すべてを失う」
そんな追い詰められた心理状態が、“逃げるしかなかった”という衝動を生んだのかもしれません。
■ 理由その④:共犯関係の隠蔽意識
この事件、もう一人のキーパーソンがいます。
それが25歳の王洪利容疑者。
彼は、鄧容疑者の飲酒を知りながら、同乗していたとして逮捕されました。
重要なのは、「家に送ってくれるよう暗に依頼されていた」という証言。
つまり、この事件は単なる一人の暴走ではなく、**他者を巻き込んだ“構造的な過失”**でもあるのです。
事故後すぐに警察に出れば、王容疑者の関与も明らかになってしまう。
“仲間を守る”意識、あるいは“自分への責任の分散”を避けたい心理が働き、逃走を選んだ可能性もあります。
■ 最後に──逃げたことで、すべては重くなった
どんな理由があれど、子どもたちをはねて逃げたという事実は消えません。
しかもその理由が、自分の保身のためだったとすれば、なおさら世間の怒りは深まります。
ただ、人間というのは、恐怖に襲われたときに必ずしも最善の行動を選べる存在ではない。
罪を犯したその瞬間より、その後どう動いたかが、人生の明暗を分けるのです。
結果として、彼は“逃げた”。
そして、“もっと重い罪”を背負うことになった。
これはただのひき逃げ事件ではありません。
人間の弱さ、恐怖、そして後悔が交錯する、ひとつの“現代の縮図”なのです。
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