プロ野球ファンを驚かせる、あまりに静かで、あまりに突然のニュースが飛び込んできた。
中日ドラゴンズの左腕として活躍し、DeNA時代から“堅実な中継ぎ”として知られた砂田毅樹――。2024年シーズン限りで現役引退を発表したそのわずか数日後、インスタグラムで「離婚」の事実を明かしたのだ。
表舞台から去る決断。そして、家族という居場所も手放す選択。
その裏側には、彼と妻・葵さんが歩んできた10年にわたるリアルな物語があった。
◆ 育成ドラフトから這い上がった努力の男、砂田毅樹
砂田毅樹といえば、派手なタイトルよりも、地に足のついた努力型の選手として知られている。
2013年、育成ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団。派手な期待より、地味なスタートだった。
それでも腐らず、2015年には支配下登録を勝ち取り、一軍のマウンドへ。2017年には62試合登板・25ホールド、翌年は自己最多の70試合に登板し、24ホールドをマーク。
左の中継ぎという地味だが欠かせないポジションを任され続けた。
2022年オフには京田陽太との交換トレードで中日ドラゴンズへ移籍。しかし、2023年はわずか18試合の登板、2024年シーズンはついに一軍のマウンドに立つことなく、6月19日、引退を決断した。
“這い上がり続けた”選手が、自らの意志でユニフォームを脱ぐ瞬間だった。
◆ 妻は“ミス・ユニバース準グランプリ”の才色兼備、葵さん
そんな砂田を支えてきたのが、妻の葵さんだ。
2015年、ミス・ユニバース準グランプリ(2nd)に輝いた、美貌と知性を兼ね備えた女性。華やかな舞台に立ちながらも、夫を陰で支え続けたパートナーだった。
2人は2019年に結婚。2020年には第一子、2022年には第二子も誕生し、誰もが羨む理想の家庭を築いていた――少なくとも表向きは。
実際、砂田の現役引退が発表された際、葵さんは自身のSNSで夫をこう労った。
「何にも取って代えることのできない、かけがえのない時間と経験を与えてくれて本当にありがとう。私たちの中では、永遠にあなたが一番の野球選手です。よく頑張りました!!!」
そこには、愛情とリスペクト、そして夫婦として歩んできた年月への感謝がにじんでいた。
◆ その直後に訪れた“衝撃の離婚発表”
だが、その感謝のメッセージからわずか10日あまり。
砂田毅樹は、自身のインスタグラムで離婚を発表した。
「私事で恐縮ですが、この度、離婚いたしましたことをご報告させていただきます。本当にここまで関わってくださった方々には感謝しかありません」
続けて、
「家族の形は変わりますが、これからも温かく見守っていただけると幸いです」
と、前向きとも取れる冷静なコメントを残している。
円満な別れを強調するようなその言葉。だが、その裏には表には出せない葛藤やすれ違いがあったのだろう。
◆ 離婚理由…夫婦がたどり着いた“選択”を読み解く
公表された情報に離婚理由は記されていない。ただ、二人の歩みとタイミングを考えれば、いくつかの背景が見えてくる。
① 現役引退の“精神的ブレイク”
アスリートがキャリアの終わりを迎えるとき、その精神的負荷は計り知れない。目標を失い、自分の存在意義に戸惑い、心のバランスを崩す選手も少なくない。
そんな“人生の転機”は、夫婦間のズレを浮き彫りにすることもある。
② 妻・葵さんの“支え続けた重圧”
ミス・ユニバース準グランプリという輝かしい肩書きの裏で、家庭を支え続けた葵さん。夫の移籍、育児、そして引退後の不安定な状況。想像以上の負担が重なっていた可能性も否めない。
一度すれ違い始めた歯車は、簡単には元に戻せないのかもしれない。
③ “お互いのための円満な結論”
離婚報告の文面も、葵さんの投稿も、決して相手を否定するものではなかった。
お互いを責めるのではなく、感謝と敬意を持ったまま、それぞれの人生を歩む選択。それが2人なりの“最善の結論”だったと考えられる。
◆ 終わりではなく、新たな始まり
スポーツ界でも芸能界でも、“理想の夫婦”とされてきた2人。
だが、現実は決してキラキラしたものばかりではなかった。
砂田毅樹は、野球人生の幕を下ろし、家庭人としての役割にも一区切りをつけた。
葵さんも、2児の母として、そして一人の女性として、新たな一歩を踏み出すことになる。
離婚は決して失敗ではない。
それぞれが自分の人生を見つめ直し、次のステージへ進むための“通過点”とも言える。
◆ まとめ:感謝と決意の“別れ”
「家族の形は変わる」
その一言に込められたのは、決して後ろ向きな感情だけではない。
努力を重ねたプロ野球人生、支え合った夫婦の日々、かけがえのない子どもたちとの時間――すべてを糧に、砂田毅樹も葵さんも、これから新しい未来へと歩き出す。
私たちファンにできるのは、その背中を静かに、そして温かく見守ることだけだ。
新たな舞台での2人の活躍を、引き続き期待したい。
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