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重岡銀次朗の容体は?意識不明:引退の理由はなぜ?

2025年5月24日、静まり返った大阪・インテックス大阪の一角。

熱狂の世界タイトルマッチが終わり、観客が勝敗の余韻に浸る中、リング上で突然の異変が起きました。

倒れ込むように動かなくなったのは、元IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗(25)選手

その場にいた誰もが、最初は疲労かと思ったことでしょう。
しかし――それは、命に関わる脳のトラブルの兆候だったのです。


目次

■ 一体、何が彼の身体に起きたのか?

重岡選手は、試合後に**「急性硬膜下血腫」と診断され、緊急で開頭手術を受ける事態に。
現在も
意識は戻っておらず、重体**のまま集中治療室で闘い続けています。

この悲劇の原因はどこにあったのか?
そして、なぜこの若き才能は、引退を余儀なくされる運命をたどることになったのか?


■ 急性硬膜下血腫──静かに迫る“脳の爆弾”

試合を最後まで戦い抜いた重岡選手。ダウンも、ぐらつくような大ダメージも、目立っては見えなかった。
ところが――その静かな戦いの裏で、脳内では出血が進行していたのです。

急性硬膜下血腫とは、強い衝撃によって、頭の中で硬膜と脳の間に出血が起こり、血液が溜まって脳を圧迫する状態

これは、スポーツ選手の命を奪いかねない、非常に危険な脳損傷です。
そして厄介なのは、“見えにくい”こと。
目の前で激しいKOや失神がなくても、脳の内部ではダメージが積み重なっていた可能性があるのです。


■ 異変は「試合後」に現れた

試合は激戦だったものの、重岡選手の動きに大きな異常はなく、最終ラウンドでも足を動かし、攻防を繰り広げていました。

問題が表面化したのは、試合が終わり、判定が告げられた直後

審判の声を聞いた瞬間、彼は目を閉じ、舌を出し、こめかみを両手で押さえながら苦しむような仕草を見せたのです。

リングサイドの兄・優大選手が叫びます。

「おい!銀、ちょっと返事して…集中しろ、銀、最後まで頑張れ!」

しかし、彼は反応しない。
それでもまだ観客の多くは、“疲労だろう”と思っていたはずです。

実際にはこの時、彼の脳は限界を迎えていた


■ 過去のケガが“伏線”だったのか?

試合中、決定的な一発はなかった。にもかかわらず、この急変。

そこで浮かび上がるのが、**昨年の「眼窩底骨折」**の記憶です。
実は重岡選手は、タドゥランとの前回の試合で右目周辺を骨折し、緊急手術を受けていました。

「そのダメージが、実は脳にも…?」

と考える人もいるでしょう。しかし、JBC側は慎重に見ています。

「前回の骨折から10か月。時間が空いているので直接の原因とは考えづらい」

と語るのは、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長。
つまり、“原因はひとつではない”可能性が高いということです。


■ 減量、ダメージ、偶然の積み重なり?

格闘技において「減量」は切り離せない宿命。
急激な体重調整によって、脳は水分を失い、クッションをなくした状態になります。

試合当日の重岡選手に、減量の極端な苦しみは見えなかったと言いますが、
**“表に出ない蓄積”**が、脳の脆さを招いていた可能性は否定できません。


■ そして引退──リングに戻れない理由

重岡選手の今後のリング復帰は、医学的にも制度的にも不可能です。

日本ボクシングコミッションは明確に規定しています。

開頭手術を受けた選手は、再びプロのリングに立つことは認められない

それは、再発のリスクが高すぎるから。
選手の命を守るため、あえて厳しい判断が求められているのです。

これは本人の意思ではなく、**ルールによって定められた「強制引退」**です。
無念という言葉だけでは済まされません。


■ あのリングに“何がなかった”のか?

さらに事態を複雑にしているのは、「明確な原因が見えないこと」

映像を見返しても、重岡選手が激しい連打やダウンを受けた場面は確認できない。
リング上の打撃だけでは説明できない――。

これが関係者たちの共通した認識です。

「うまく戦っていた。大きいパンチはもらっていなかった。だけど倒れた」

つまり、“見えない何か”が、彼の脳を破壊したのです。


■ リングの外で始まる「もう一つの闘い」

今、彼は病院のICUで、生きることを賭けた第2の闘いを続けています。
家族が付き添い、兄・優大選手が祈りを込めて声をかけ続ける。

JBCはこの事態を重く受け止め、再発防止のさらなる強化に乗り出す見込みです。

「脳の腫れが今後の鍵になる。ここ1週間が勝負」と語る安河内氏。

この状況が変わるには、時間と祈り、そして医学の力が必要です。


■ 最後に──ボクサーの命と引き換えに問われるもの

重岡銀次朗というボクサーは、最後までリングに立ち続けました。
その姿に観客は胸を打たれましたが、彼の“本当の戦い”は、今始まったばかりです。

そして私たちが問われているのは、
「この競技をどう守っていくのか」という、未来への課題でもあります。

命を削る競技に、どれだけの安全策が講じられるか。
そして、その舞台に立つ選手たちを、どれだけの覚悟で支えられるか。

リングで命をかけた彼に、今、できることはただ一つ。

回復を、信じて待つこと

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