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斎藤歩:俳優の死因はがん?結婚相手:は?子供はいる?

北海道演劇界を代表する俳優・演出家・劇作家、斎藤歩(さいとう・あゆむ)さんが、2025年6月11日未明、札幌市の自宅でこの世を去りました。享年60歳。
その訃報は、ちょうど彼が理事長を務めていた北海道演劇財団の理事会が開かれていたその場で伝えられました。まるで自らの劇の幕引きを、自ら演出したかのように。

本稿では、「斎藤歩」という一人の表現者がどう生き、どう闘い、誰に支えられ、何を遺して旅立ったのか。死因、妻、家族、そして最期まで貫いた“舞台人生”を深掘りしてお届けします。


目次

■ 死因:余命半年を宣告された「尿路上皮がん」──闘病しながら舞台に立ち続けた4年間

斎藤さんを襲った病は、尿路上皮がん。聞きなれないがんですが、膀胱や尿管にできるがんの一種で、進行が早く、再発もしやすい厄介な病です。

発症は4年前。既にステージ4で、2023年には医師から「余命半年」と宣告されていました。
しかし、斎藤さんは舞台を降りませんでした。むしろその時期以降、演出・脚本・出演と精力的に作品を世に送り続けたのです。

抗がん剤治療の副作用に耐えながら、点滴を打ち、車椅子で舞台裏に現れ、照明が当たる瞬間だけ立ち上がって舞台に上がる——その姿は、まさに「生きながら演じる」魂の舞台人そのものでした。

「舞台が自分の命を延ばしてくれている気がする」。そんな思いで、人生を最後の一日まで「表現」に捧げていたのです。


■ 結婚相手:妻・西田薫さん──“同志”として共に歩み続けた日々

斎藤さんの私生活は、多くを語られることがありませんでした。しかし、その傍らには常に一人の女性がいました。
それが、女優の西田薫(にしだ・かおる)さん。共に舞台に立ち、作品を創り、人生を重ねた“同志”であり、妻です。

舞台という同じ戦場で生きる者同士、斎藤さんと西田さんの関係は、恋愛というより“魂の結びつき”に近いものだったのかもしれません。彼の闘病生活のなかでも、常にそばに寄り添い、支え続けたのが西田さんだったと言われています。

闘病の記録を追ったドキュメンタリー映像では、献身的に支える西田さんの姿が印象的でした。舞台裏での静かな励まし、点滴を抱えての付き添い、そして「もう一度舞台に立たせてあげたい」という強い想い——夫婦の関係を超えた、深い絆がそこには確かにありました。


■ 子どもは?──公には語られなかった家族のかたち

斎藤さんと西田さんの間に子どもがいるかについては、公にされた情報はなく、報道等でも明言はされていません。

闘病中も、西田さんと斎藤さんの関係はたびたび語られていましたが、「家族」としての話題に子どもが出ることはなく、恐らく子どもはいなかったか、もしくはあえて公表を控えていたと見られています。

その代わりといっては語弊がありますが、斎藤さんは「育成」に情熱を注いでいました。若手俳優の指導、地方劇団の支援、ワークショップの開催…。
彼にとって、“舞台の子どもたち”が、自身の後を継ぐ「家族」だったのかもしれません。


■ 最後の舞台は、人生そのものだった

2020年からは北海道演劇財団の理事長を務め、2025年6月11日の理事会では退任を予定していた斎藤さん。
しかしその席には姿を見せることはなく、代わりに伝えられたのは、「斎藤歩、逝去」の一報でした。

副理事長・秋山孝二さんの言葉が、全てを物語っています。
「最後の最後まで舞台に上がっていた。彼は最期まで、本当に演劇人だった。」

演劇財団では、後日「斎藤歩さんお別れの会」を開催予定です。舞台で出会い、斎藤さんに影響を受けたすべての人々が、きっとその会に集い、静かに、そして誇らしく彼を見送ることでしょう。


■ 編集後記:人生を演じ切った男

「表現」と「生きること」が完全に重なっていた人だった。
悲しみの中にも、彼の生き様を思い返すと、不思議と背筋が伸びるのです。

どこまでも真っすぐで、どこまでもしぶとくて、どこまでも演劇人だった斎藤歩さん。
その生き様そのものが、一つの“劇”でした。

きっと、いまでもどこかで、静かに舞台の幕を上げていることでしょう。
心から、ご冥福をお祈りします。

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