声優・俳優として数々の名キャラクターを生み出してきた朴璐美(ぱく・ろみ)さん。その凛とした低音、鋭い台詞回し、時には涙すら誘う繊細な芝居──どれをとっても唯一無二の存在です。
でも、その“声”の奥には、どんな人生があるのか。
どんな家庭に育ち、誰と生き、どんな愛に包まれてきたのか。
今回は、朴璐美さんの家族、ルーツ、そして結婚について、深く、丁寧に、感情を込めて掘り下げていきます。ファンなら知っておきたいエピソードが、ここに詰まっています。
プロフィールからひも解く、朴璐美という人間
- 名前:朴 璐美(パク・ロミ)
- 生年月日:1972年1月22日
- 出身地:東京都
- 学歴:桐朋学園芸術短期大学 演劇科卒
- 職業:声優・俳優・ナレーター・演出家・LAL代表
- 代表作:『鋼の錬金術師』エドワード・エルリック、『NANA』大崎ナナ、『BLEACH』日番谷冬獅郎 ほか
演劇畑出身の朴さんは、富野由悠季監督の『ブレンパワード』で声優として脚光を浴びました。以来、少年役から大人の女性まで、幅広い役柄をこなす実力派声優として、長く第一線に立ち続けています。
「朴璐美は韓国人?」──そのルーツに宿るアイデンティティ
「朴」という名字から、“韓国系では?”と思われる方も多いでしょう。
その通り、朴璐美さんは在日韓国人三世です。
生まれも育ちも東京。日常生活では日本語を使いながらも、家庭では韓国語に触れながら育ったという、二つの文化が共存する環境で育ちました。
そして何よりも印象的なのが、家庭の“礼儀作法の厳しさ”。
父親とは20歳まで敬語で話していたというエピソードがあり、言葉づかい、姿勢、立ち居振る舞いの一つひとつを重んじる家庭だったことが伝わってきます。
彼女の持つ「凛」とした空気は、そんな家庭環境に育まれたのかもしれません。
家族構成──厳格さと温かさのなかで育まれた演技魂
父親:無言の威厳を持つ存在
朴さんが「父と20歳まで敬語でしか話さなかった」と話すように、非常に厳格な人物だったようです。
ただ、厳しいだけではなく、娘の進む演劇の道を影で見守り続けてくれた存在でもあります。
“何も言わずに応援する”という距離感は、昭和の父親像そのもの。
その背中が、朴さんにとっての「強さ」の原点になっているのかもしれません。
母親:支える愛と教育の力
母親について詳細は語られていないものの、幼少期の習い事(ピアノ・水泳・バレエ・絵画など)に見られるように、非常に教育熱心だったことがわかります。
病弱だった幼少期の朴さんを思い、体力づくりのために水泳をさせたり、感性を磨くために音楽や芸術に触れさせたり――
母の“見えない手”が、表現者・朴璐美の礎を築いたと言っても過言ではありません。
兄弟姉妹:詳細は非公開
兄弟姉妹についての情報は明らかになっていません。一人っ子説もありますが、プライバシーを大切にしている朴さんのこと。あえて語らないだけの可能性もあります。
運命の人──夫・山路和弘との出会いと結婚
2020年1月22日、朴璐美さんは突如、結婚を発表します。
お相手はなんと、ベテラン俳優で声優の山路和弘さん。
年齢差18歳。けれど、そんな数字を吹き飛ばすほど、ふたりは自然に寄り添っている。
山路さんは、舞台・吹き替え・アニメなどマルチに活躍する名優。
ジェイソン・ステイサムやヒュー・ジャックマンなどの吹き替えでも有名で、低くて渋い声が印象的です。
実は以前から舞台での共演もあり、互いに俳優として尊敬し合う関係だった二人。
年月を重ねる中で、演技論を語り合い、芝居に向き合い、やがて“人生のパートナー”として結ばれました。
発表時のコメントも実に朴さんらしいものでした。
「支え合って、笑い合って、励まし合って。これから先、どんな時も二人で歩いていきたいと思います」
大人の結婚。遅咲きの愛。けれど、それは熟成された赤ワインのように、深く、濃く、静かに輝いています。
子どもに関する情報は公表されておらず、現在のところ夫婦二人の生活を大切にしているようです。
“生きた声”を伝える、指導者としての顔
朴さんは声優・俳優として活躍する一方、後進の育成にも情熱を注いでいます。
2017年には自身の会社「LAL(ルール・アンド・ロジック)」を設立し、2018年には「studio Cambria(スタジオ カンブリア)」を開校。
そこでは、「テクニックより心」「声を出すとは、命を燃やすこと」という姿勢で、若手に“本物の演技”を教えています。
芝居とは技術ではない。魂で伝えるもの。
それが彼女の哲学であり、今の日本の演劇界・声優界に必要とされている“生の声”なのです。
結びに──朴璐美という“声の人生”
演じるキャラクターに、必ずどこか“芯”が通っている朴璐美さん。
その芯は、彼女自身の人生──厳格な家庭、二つの文化、演劇への信念、夫との深い絆──すべてが織りなす一本の柱。
私たちが聞いているのは、ただのセリフではなく、
朴璐美という人間が「今までどう生きてきたか」という声の記録なのかもしれません。
これからも、彼女の声は、
誰かの人生に触れ、勇気を与え、涙を誘うでしょう。
そしてその“声”は、彼女の生き様と共に、ずっと響き続けていくのです。
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