「え? 杜このみさんって義足なの?」
そんな驚きの声がSNSでポツポツと聞こえてきたのは、2021年頃からのこと。演歌界の若き実力派として知られ、テレビでもお馴染みの杜このみさん。彼女に“義足”というワードが結び付くことに、違和感を覚えた人も多かったはずです。
結論から言えば、この噂――**完全な誤情報(デマ)**です。
しかし、なぜこのような誤解が広まり、多くの人の間で信じられるようになったのでしょうか?
今回はその“根っこ”にある背景を、丁寧に掘り下げてみたいと思います。
■きっかけは「名前の似た別人」だった?——驚きの情報混同
杜このみさんが義足だと誤解された最大の原因は、似た名前の別人の存在にあると見られています。
時をさかのぼること2021年頃、とある義足の女性アイドルが話題になりました。彼女の名前は「こみみ」。事故により義足となった彼女は、その身体の状態を公表し、義足のまま堂々とパフォーマンスを行う姿が一部メディアやSNSで注目を集めました。
ここで問題なのが、その“名前の響き”。
「こみみ」と「このみ」……。
たしかに、字面も音もとても似ていますよね。
ここから、「義足のこみみさん」が「杜このみさん」と誤って認識され、
「杜このみって義足らしいよ?」という話が、ネット上でひとり歩きし始めたのです。
■妊娠・出産による活動休止が、さらに“噂の火”に油を注いだ
さらに、2020年には杜このみさん自身の大きな転機が重なります。
そう、彼女はこの年、力士・高安関と結婚し、その後、妊娠・出産へ。産休に入ったことで、テレビや舞台など公の場から一時的に姿を消しました。
「最近見かけないな…」「病気? それともケガ?」
そうした“空白”を感じた人たちの間で、いつの間にか“義足説”が「現実味を持った情報」として混ざり始めたわけです。
ここでポイントなのは、芸能人の休業や露出減が、往々にして勝手な憶測の温床になりがちということ。
特にSNS時代、ひとつの噂が数時間で数千人に広まることも珍しくありません。
■「真実」が黙ったまま、噂だけが広がっていく怖さ
もうひとつ、この噂を加速させた理由があります。
それは、杜このみさん本人や事務所が、特にこの噂について公式に言及していないという点。
もちろん、本人からすれば「そんな根も葉もない話、わざわざ否定する必要ある?」という感覚かもしれません。でも、ネットの世界では**“否定しない=真実かも?”と受け取る人が少なくない**のも現実です。
つまり、誤情報の訂正がなされないまま、人々の中で半ば“都市伝説”のように残ってしまったのです。
■真相:杜このみは義足ではない。いまも歌手として精力的に活動中!
ここで改めて断言しておきましょう。
杜このみさんは義足ではありません。
病気でもケガでもありません。
妊娠・出産という大きな人生イベントを経て、現在も元気に歌手活動を続けています。
2022年には第二子を出産し、11月にはコンサートにも復帰。テレビ出演も果たし、演歌界の第一線で活躍中です。
■なぜ私たちは「信じてしまう」のか? —— 情報リテラシーを考える
今回のケースは、インターネット時代の典型的な“情報錯綜”のパターンを示しています。
- 名前が似ている人物の情報が混ざり
- 本人の一時的な露出減が「裏があるのでは?」と邪推され
- 誰も正さないまま、噂が一人歩きし
- 本人が何も言わないことで「信じてしまう」人が現れる
こうした連鎖は、今後も誰にでも起こりうることです。
そしてその“火のないところに煙を立てる”行為が、本人にとってどれだけ迷惑であるかも、忘れてはならないと思います。
■まとめ|噂に踊らされず、正確な情報を見極める力を
今回の「杜このみ・義足説」は、
- 名前の混同
- 出産による活動休止
- SNSの情報拡散構造
という3つの要因が重なって生まれた、まさに「情報の誤解の産物」です。
今後もこうした誤情報が広まることはあるかもしれません。
でも、私たち一人ひとりが「情報の裏を取る」という意識を持つことで、少しずつ防げるのではないでしょうか。
杜このみさんの澄んだ歌声とともに、
本当に“真実”だけが届いていくように願うばかりです。
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