観客をいじって会場の空気を温める「客いじり」。
ベテランから若手まで多くの芸人が使うテクニックの一つだが、それが“笑い”ではなく“攻撃”に見えるとき、客席に残るのは笑顔ではなく、苦い後味だ。
いまSNSを騒がせているのは、ある女性芸人による“客いじりの大失敗”。
被害に遭った観客が投稿した体験談には、多くの共感と怒りの声が集まっている。
■ 「その服、しまむらでしょ?」の一言が観客の心を凍らせた
「今日、最前列に座ってたら女性芸人さんに『あなた、その服しまむら?バーゲンの安物よね?』って言われて固まりました」
こう語ったのは、お笑いファンの日暮れひぐれんさん(@higureshuuen)。
彼女が観覧していたのは、芸人が多数出演する小規模なライブ。
客席は2列だけ。最前列中央に座っていた彼女に、ある女性芸人が容赦ない言葉を投げかけた。
だが、観客が着ていたのは、約1万円で即完売したカジュアルブランドの限定パーカー。
価格以上に、本人にとって“特別な一着”だった。
「しまむらでもバーゲンでもないし、お気に入りだった服だったので…ショックでした。同性の芸人さんからっていうのも、少しキツかったです」
その芸人は後に、自分の衣装をネタにした自虐トークへと続けたが、観客からすれば“つかみ”として他人を雑にいじったように感じられた。
■ 客いじりをした女性芸人は誰?
SNSでは当然のように「この芸人は誰なのか?」と話題に。
しかし、日暮れさんは投稿で芸人の名前を明かしていない。
彼女自身、芸人を完全に否定したり、炎上させたい意図はなく、ただ「気づいてほしい」「反省してほしい」というスタンスに留めている。
ただ、ヒントはある。
- 演者としては“ベテラン”だが、芸人としてのキャリアは“浅い”
- 女性芸人
- 年齢は高め
- ライブ出演時の服装は高級ブランド風
- 自虐トークも交えていた
この情報から、特定を試みる声もあるが、現時点では本人の名誉にも配慮し、確定的な名前は伏せられている。
一方で、「心当たりがある」「あの人では?」と推測する投稿も見受けられるが、憶測による中傷が拡がることは避けたいところだ。
■ 森本曜子?──ネット上で浮上した名前
SNS上では、名古屋吉本所属の女性ピン芸人・森本曜子さんの名前が挙がっている。
彼女は、元アナウンサーであり、芸歴1年目の新人芸人。
年齢は70代で、名古屋を拠点に活動している。
2025年4月25日のライブにも出演していたとの情報がある。
ただし、現時点で森本曜子さんが問題の発言をしたという確証はなく、本人や所属事務所からの公式なコメントも出ていない。
そのため、憶測での断定は避けるべきであり、今後の情報を待ちたい。
■ 観客の心に残ったのは“笑い”ではなく“傷”
「私はもうそのパーカーを着られなくなってしまった。でも、芸人さんのことを嫌いになったわけではありません」
日暮れさんは、ただ怒りをぶつけるだけではなく、芸人として成長してほしいという気持ちも語っている。
だが、ライブを楽しみにしていた観客が、心ない言葉で傷つけられ、思い出にまで“ネガティブなタグ”を貼られてしまった事実は重い。
■ SNSの反応は?「それ、芸じゃない」「愛がない」と共感多数
投稿にはすぐさま共感の声が殺到。
- 「人を下に見て笑いを取るのは芸ではない」
- 「むかしオール巨人が“客いじりで笑いを取る芸人に売れてほしくない”って言ってたの思い出した」
- 「その服、年収の3分の1くらいやろ?とかならまだ笑える。でも今回のはただの悪口」
こうした意見に混じって、「最前列に座るってことは、いじられる覚悟も必要」という反論もあった。
だが今回のライブは席数が2列だけ。選択の余地がない状況だったことを考えると、観客側に非があるとは言い難い。
■ 愛のないいじりは“芸”ではなく“いじめ”
芸人が客をいじるときに求められるのは、センスや間合い、そして“愛”だ。
観客の心を思いやり、笑ってもらえるような工夫がなければ、それはただの攻撃になる。
今回の件は、客いじりという表現が持つ“リスク”と、“笑い”の本質について改めて考えさせられる一件だった。
芸人本人がこの声に耳を傾け、誰かを傷つけるのではなく、心から笑わせる表現を目指してくれる日が来ることを、願わずにはいられない。
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