F1界に激震が走った。
角田裕毅、2024年シーズン限りでレッドブルから事実上の“戦力外通告”――。
それは突然降ってきた噂ではなく、ここ数戦の苦しい結果と、チーム内の若返り構想の延長線上にあった。
6月、英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』が報じた内容は、F1ファンにとっては一種の「現実通知表」だった。
そこに書かれていたのは、冷酷とも言えるほど明確な構想だった。
■ レッドブルが描く2025年――角田はもういない
まずは事実整理から。
『F1OVERSTEER』の報道によれば、レッドブルとその姉妹チーム「レーシングブルズ」は2025年のラインナップをすでに水面下で固めつつあるという。
そこに、角田裕毅の名前はどこにもない。
- レッドブル本体には、**アイザック・ハジャー（20）**が昇格し、マックス・フェルスタッペンの新たなパートナーに。
- レーシングブルズには、リアム・ローソンが残留。
- そして空いた1席には、17歳の神童アービッド・リンドブラッドが抜擢される予定。しかも彼は、FIAが定めた最低年齢「18歳未満」の壁を破って、スーパーライセンスの特例発行を受けた。
ここに角田の名前が入る余地は、1ミリもない。
■ じゃあ、なぜ角田は「外された」のか？その5つの理由を掘る
① 成績という“数字”が、語ってしまった
冷静に成績を見てみよう。
角田は2024年、ここまで7戦で7ポイント。
最高順位は9位と、シングルフィニッシュは1回だけ。
予選ではQ3進出に苦戦し、3戦連続Q1またはQ2敗退。スペインGPではなんと19番手スタートだった。
正直、ハッキリ言ってしまえば「物足りない」のだ。
しかも、チームメイトがマックス・フェルスタッペンというF1界最強の男。彼と比べられるのは酷かもしれないが、それでも平均タイム差0.692秒という数字は、F1の世界では「別カテゴリー」と言われても仕方がない。
② ハジャー＆リンドブラッド、“超新星”たちの台頭
一方で、角田のポジションを脅かす存在が若さと実力を兼ね備えて台頭してきた。
- ハジャーは3戦連続入賞＆16ポイントを獲得し、ルーキーながらドライバーズランキング9位。
- リンドブラッドは、FIAが異例のスーパーライセンス発行を認めるほどの逸材。まだ17歳だが、ジュニアカテゴリーで圧倒的な成績を残している。
「角田より若く、速く、そして未来がある」
そうチームが判断してしまうのも無理はない。
③ クラッシュ連発と“アップグレード”問題
角田にとっての大きな痛手。それがクラッシュによるチームへの損害だ。
日本GP直前の昇格以降、エミリア・ロマーニャGPでマシンを大破。アップグレードされたフロアの新規製造が間に合わず、以降の2戦では旧型仕様で走らざるを得なかった。
その影響もあり、マシンの不安定な挙動に苦しみ続けた。
しかし――。
カナダGPに向けて再びアップグレードが提供された今、
「もう言い訳はできない」状況になってしまったのだ。
ホーナーとマルコの眼差しは、冷徹だ。
「最新スペックを渡した。あとは結果を出せ」
④ “日本市場”というカードが、通用しなくなってきた
角田には、日本人ドライバーとしてのマーケティング価値があった。
しかし、F1は「ショー」ではなく「勝負の世界」。
今や、リンドブラッドのようなヨーロッパ市場で爆発的に人気の出る若手がいれば、チームとしてもビジネス的な魅力は十分。
「日本人だから残す」という時代は、もう終わったのだ。
⑤ チームの“再構築”モード
レッドブルは現在、チーム体制の大規模再編を進めている最中。
フェルスタッペンの将来すら不透明な中で、「次の柱」を早期に育成する方針を取っている。
その育成プログラムのなかで、**24歳を超えた角田は“もう育てる段階ではない”**と判断されてもおかしくない。
■ カナダGPが“最後通告”の場になる可能性
これだけ厳しい状況で迎える次戦、カナダGP。
角田にとって、このサーキットは過去3戦で最高14位と、相性はお世辞にも良いとは言えない。
にもかかわらず、今回は「アップグレード済マシン」という言い訳なしの状態。
成績を出すか、さようならか。
それほどの重圧が、角田の肩にのしかかっている。
■ 最後に：まだ「完全決定」ではないが、現実は厳しい
現時点でこれは非公式の報道であり、レッドブル側からの正式コメントは出ていない。
だが、ここまでの状況を総合すれば、角田が2025年もレッドブルファミリーに残る可能性は、限りなく低い。
とはいえ、F1は最後まで何が起きるかわからない世界。
もしカナダでQ3進出＆入賞、そしてフェルスタッペンに迫る走りを見せられれば、流れは一変するかもしれない。
だが、今度こそ“言い訳は通用しない”――それが現実だ。
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