漫画ファンにとっては胸を熱くする名作『かくかくしかじか』。
その実写映画がついに公開を迎えようとしている。
しかし、今ネットをざわつかせているのは「期待」よりも、「公開中止になるのでは?」「打ち切りの可能性もある?」という、不安と憶測の声だ。
一体何が起きているのか?
主演女優のスキャンダル、作品の注目度、そして原作ファンの苦悩——その全貌をひも解く。
原作は涙なしに読めない“実録青春ドラマ”
『かくかくしかじか』は、漫画家・東村アキコが自身の人生を描いた自伝的エッセイ。
宮崎の美術予備校時代、スパルタな恩師との絆、漫画家になるまでの苦悩と情熱——全5巻で綴られるその物語は、2015年に「マンガ大賞」を受賞し、多くの読者の心を揺さぶった。
原作者・東村氏は映画化オファーを長年断り続けてきたが、唯一OKを出したのが今回。
その理由は、主演・永野芽郁への強い信頼だった。
「あの永野さんが演じてくれるなら、すごくいい作品になると確信した」(公式コメント)
それだけに、彼女を取り巻く“ある騒動”が、作品全体に予期せぬ影を落とすことになったのだ。
主演・永野芽郁に浮上したWスキャンダル
事の発端は、2024年4月下旬の『週刊文春 電子版』。
永野芽郁に、既婚俳優・田中圭との不倫疑惑、さらに韓国人俳優・キム・ムジュンとの二重交際疑惑が報じられた。
掲載された親密写真に加え、同誌による詳細な交際スケジュール報道が話題となり、ネットは炎上。
両者の事務所は「事実無根」と火消しに回るが、疑惑の火種は消えず、SNSでは「映画への影響は不可避」と見る声が日に日に増えていった。
そもそもあまり注目されていない? “静かな公開前”
そんな中、ある疑問も浮上している。
「話題にはなっているけど、そもそもこの映画ってそんなに注目されてたっけ?」
実際、公開前の段階で:
- 予告編の再生数は他の話題作に比べ控えめ
- SNSの感想や考察も少なく、盛り上がりは限定的
- キャスト発表時もバズることなく静かな反応
- 映画レビュー系YouTuber・TikTokerもほとんど触れていない
つまり、“静かな作品”だったからこそ、主演のスキャンダルばかりが浮き彫りになってしまったとも言える。
さらに、アニメ原作や人気IP作品に比べ、知名度の高い漫画ではあるが一般層への浸透度は高くなく、初動の集客には不安が残る。
ファンの声──「なぜこのタイミングで…」
とはいえ、原作ファンの熱量は高い。
だからこそ、今回の件に対する“失望”の声は深く鋭い。
「東村アキコさんが泣きながら描いたって言ってたあの作品を、どうしてこう汚してしまうのか」
「映画化をずっと待ってたのに、主演女優がスキャンダルって…本当に悔しい」
「役に向き合っていたとしても、タイミングが最悪すぎる」
「東村先生が信じてくれたんだから、せめて責任持って静かにしててほしかった」
「作品に罪はないけど、観る気力がなくなった自分がいる」
中には冷静な意見もあるが、共通しているのは“作品と原作者に対する強い敬意”だ。
「打ち切り」噂の背景と現実
現時点で映画の公開中止や打ち切りの正式発表は一切ない。
制作・配給元であるフジテレビや劇場側も、プロモーションを続行中。予定通りの公開を目指して動いている。
それでも、「打ち切り」の憶測が広がっている理由は以下の通り:
- スキャンダルによる観客離れリスク
- ファン離れ・ボイコット運動の広がり
- 過去に似たケースでの配信停止や上映中止の記憶
- 公開規模や宣伝量のわりに“話題性が薄い”という業界内の懸念
つまり、明確な根拠があるわけではないものの、“静かな炎上”が作品の立ち上がりを鈍らせているのが現実だ。
作品は“スクリーンの中”で評価されるべきか
この映画が描いているのは、夢を追う青春の痛みと、人生を変えた恩師との絆。
そこに込められた感情は本物であり、原作に触れたことのある人なら、誰もが知っている“心を揺さぶる力”がある。
だからこそ今問われているのは、**「作品と役者の私生活を分けて観るべきか?」**というシンプルかつ重たい問い。
すべてのノイズを超えて観る価値があるのか。
その答えは、観客自身の心に委ねられている。
最後に
『かくかくしかじか』は、静かな立ち上がり、思わぬスキャンダル、そしてファンの揺れる心情という複雑な状況下での公開を迎える。
この逆風を乗り越え、“作品そのものの力”で評価されることができるのか。
それとも、話題性ばかりが先行し、肝心の中身が届かないまま終わってしまうのか。
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