一見、ありふれたマッチングアプリの誘い文句。
「天神でご飯どうですか?」
でも――その言葉の先には、とんでもない“罠”が仕掛けられていました。
マッチングアプリで出会った男女が食事をする…なんて今では珍しくもない日常。でも今回、その「普通の出会い」を巧みに利用し、390人から総額3億9000万円もの大金を搾取した男が逮捕され、日本中に衝撃を与えています。
実態は“恋愛”ではなく“契約”だった…!福岡の男による巧妙な「デート商法」
2025年5月、福岡市在住の**會野英雄(あいの・ひでお)容疑者(38)**が特定商取引法違反の疑いで逮捕されました。
會野容疑者がやっていたのは、いわゆる**「デート商法」**。その手口はこうです。
- マッチングアプリで女性と接触。
- 「天神でご飯どうですか?」「○○前で待ち合わせましょう」と親しげに誘う。
- いざ会ってみると、なぜか“デート”ではなく“オフィス”へ。
- 「資産形成や投資に興味はありませんか?」と、コンサル契約を勧誘。
- その場で100万円単位の契約を結ばされるケースも。
この流れを組織的に、そしてマニュアルまで作成して繰り返していたというのだから驚きです。
警察によると、會野容疑者と共謀した男女4人も書類送検されており、すでに2018年からこの“詐欺まがいビジネス”が続いていた可能性が高いとのこと。7年もの間、巧妙に人々の「心の隙間」に入り込み、金をむしり取っていたのです。
なぜ騙される?相手の心を操る「会話テク」と“悩み吸収術”
この手口、ただ怖いだけじゃありません。被害者に共通していたのは、人生に迷いや悩みを抱えていたタイミングだったという点。
會野容疑者のもとで働いていた従業員たちは、まず軽い雑談からスタートし、趣味や仕事、将来の不安などをじっくり聞き出します。そして「実は相談に乗ってくれるいい会社があるんです」と持ちかけ、オフィスへ同行。
「話を聞くだけなら無料ですよ」という誘い文句もあり、相手は安心して足を運ぶ。そこで突然、「この契約で人生変わりますよ」と、100万円以上のコンサル契約を結ばされる…という流れ。
こうした“悩みの搾取”とも言える商法に、実際390人もの男女が引っかかってしまったのです。
容疑者・會野英雄とは何者だったのか?
ここで気になるのが、この會野英雄という男。どんな人物だったのでしょうか。
■ プロフィール(判明している範囲)
- 氏名:會野 英雄(あいの ひでお)
- 年齢:38歳
- 職業:会社員(実質的な経営者とされる)
- 住所:福岡市城南区(詳細住所は非公開)
彼は表向きには“会社員”を装っていましたが、実際にはこのコンサルティング会社の裏ボス的存在。実質的な経営を担っていたとみられています。
■ 家族構成は?
家族についての詳細は公表されていません。ただ、これほどの規模の違法ビジネスを長年続けていたことから、周囲との関係は薄かった可能性も。
■ SNSアカウントは?
現在、會野容疑者のSNSアカウントは特定されていません。事件後はすでに削除または非公開に設定されている可能性があります。
容疑者の会社はどこ?
會野容疑者が実質的に経営していたとされる会社の詳細については、現在のところ公表されていません。報道によれば、福岡市内に所在するコンサルティング会社で、資産形成や投資指南などをうたっていたとされています。具体的な社名や所在地については、今後の捜査や報道で明らかになる可能性があります。
「天神でご飯」だけじゃない!恋愛アプリに潜む新たなリスク
この事件が明らかにしたのは、マッチングアプリに潜む“感情ビジネス”の危険性です。
恋愛感情や将来への希望、不安や孤独――
こうした心の動きに巧みに入り込み、「あなたのため」と言いながら契約させていくこのやり方は、もはや恋愛ではなく心理戦。
警察も「マッチングアプリを利用する際は、甘い言葉や親切な誘いの裏に危険が潜んでいる可能性がある」と注意喚起を行っています。
終わりに:誰でも被害者になりうる時代に、私たちは何を学ぶべきか?
「たまたまマッチングアプリで会った人が、詐欺師だった」
それが現実になってしまう時代。
今回の事件は、「自分は大丈夫」と思っている人こそ、見直すべき教訓を私たちに突きつけています。
甘い言葉には、冷静な目を。
優しい誘いには、慎重な判断を。
――恋愛の裏に潜む“ビジネス”を見抜く目が、今、求められています。
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