2024年10月、東京・墨田区でまさかの事件が発覚——。
小学生の笑い声が響く住宅街、そのすぐ近くに構えられていたのは、なんと指定暴力団・山口組系の“実働拠点”だった。
逮捕されたのは、六代目山口組系の有力人物である「上杉慎司」こと布施慎司容疑者(59)。その素顔と裏社会での実態を、関係筋の情報や報道をもとに深掘りしていく。
■ 小学校からわずか40メートル…住民騒然の“違法事務所”
事件の発端は、墨田区内のある小学校の周辺で不穏な噂が立ち始めたことから。
「スーツ姿の男たちが頻繁に出入りしている」
「近所なのに、どこか異様な空気を感じる」
そんな声が次第に大きくなり、警視庁が内偵捜査に乗り出した。そして、ついに暴力団事務所として使用されていた住宅を突き止めたのである。
東京都の条例では、学校や保育園などの200メートル以内に暴力団の事務所を開設・運営することは禁止されている。今回の場所は、そのわずか40メートル圏内。条例に明確に違反していた。
そして、その場所を根城にしていたのが——六代目山口組系幹部の布施慎司、すなわち“上杉慎司”だった。
■ 上杉慎司=布施慎司とは何者か?
今回の逮捕で注目されたのが、その「肩書き」の重みだ。
上杉慎司(本名・布施慎司)は、現在59歳。東京都目黒区出身で、日本体育大学荏原高等学校を卒業したという情報もある。見た目は物腰柔らかな中年男性という印象ながら、その裏には裏社会で30年以上にわたるキャリアが隠されていた。
上杉は、指定暴力団「六代目山口組」の傘下組織「落合金町連合」の舎弟頭代行を務めるなど、いわゆる“直参の中でも格上”の存在。そして、その中核組織として活動していたのが「上杉総業」。自らの名を冠したこの三次団体で組長を務めていたとされる。
つまり、彼は単なる組員ではない。事務所の運営どころか、地域の縄張りを仕切る立場にあった実力者なのだ。
■ どこに住んでいた?家族は?SNSは?
布施容疑者が活動拠点としていたのは、現在住んでいたとされる東京都墨田区の住宅。小学校から徒歩1分の距離に位置するその家屋は、表向きは一般住宅に見えるものの、出入りする人物の顔ぶれは明らかに「一般的」とは言い難かったという。
家族構成については、現時点では明確な報道はなし。妻や子どもの存在についても確認されていないが、近隣住民の証言では「家に女性が出入りする姿を見たことがある」との話もあり、今後の捜査で明らかになる可能性がある。
また、SNSアカウントに関してはTwitter・Instagram・Facebookなど、いずれも特定には至っておらず、ネット上での発信も控えられていたようだ。裏社会に身を置く者として、オンラインでの露出を避けていたのかもしれない。
■ 組織の構図:六代目山口組→落合金町連合→上杉総業
暴力団にはヒエラルキーがある。今回のケースを簡単に整理するとこうだ:
- 【六代目山口組】:日本最大の指定暴力団
- └【落合金町連合】:山口組の二次団体、関東圏に勢力を持つ
- └─【上杉総業】:落合金町連合の三次団体、布施容疑者が組長を務める
つまり、布施=上杉はこの「上杉総業」を率い、かつ上部団体である落合金町連合の中でも舎弟頭代行という中枢ポジションにいたということになる。
今回の逮捕によって、関東圏の山口組系組織にとっても、一定の打撃となったのは間違いない。
■ 今後どうなる?そして“裏社会”の行方は…
墨田区という住宅街に潜んでいた暴力団事務所。しかも小学校の真横——という事実に、地域の保護者や住民は怒りと不安を隠せない。
布施容疑者の起訴・裁判の行方もさることながら、注目されるのはその後の組織の動きだ。
「上杉総業」はどうなるのか?
後任は誰が継ぐのか?
落合金町連合の影響力は?
裏社会にとっての“顔役”とも言える人物の逮捕は、一見目立たぬよう見える波紋を、じわじわと広げていくだろう。
◆ まとめ:暴力団と日常が交差する「現実」
誰もが暮らす日常のすぐそばに、暴力団の影があった——。
今回の事件は、単なる条例違反にとどまらない。「安全であるべき場所」に対して、組織犯罪がどう入り込んでいるのか、私たち一人ひとりが改めて目を向ける契機となるはずだ。
今後の動きにも注視していきたい。
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