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千葉中3殺人事件の犯人:家族構成は?家庭環境は良くなかった?

2024年5月、千葉市若葉区の静かな住宅街で突如起きた殺人事件。
犯人は、たった15歳の中学3年生だった。

被害者は84歳の女性。面識はない。
犯行の動機は「誰でもよかった」「少年院に入りたかった」──

ニュースの見出しは人々を震撼させたが、真に恐ろしいのはその背景にあった“家庭の静かな崩壊”かもしれない。

本稿では、少年の家族構成にフォーカスを当て、証言から見えてきた“失われていった日常”と“気づかれなかった変化”を徹底的に掘り下げていく。


目次

■家族構成:6人暮らしの「普通の家庭」が崩れた軌跡

事件を起こした少年は、千葉市若葉区にある実家で、以下の6人家族と共に暮らしていた。

  • 少年(加害者/15歳・中学3年)
  • 父親
  • 母親(別居または不在の可能性あり)
  • 祖父
  • 祖母
  • 兄弟2人(うち1人は年下の弟と推定)

「一見すると、普通の家庭でした」とは、近隣住民の声。

しかし、内側から見れば、“普通”はもろく、崩れやすい幻想だった。


【1】父親──「明るい子だった」その変化に、どう向き合えばよかったのか

加害少年の父親は、事件直後、報道陣に対して静かにこう語っていた。

「小学生の頃は明るくて、いい子だったんです。何か悪いことを起こす可能性も感じて、だから警察にも相談していた。でも、ここまでとは……」

少年が小学生の頃までは、家庭内でも会話があり、明るい性格だった。
しかし、中学に上がった頃から部活動もすぐに辞め、家族との会話は激減。
特に父親に対しては、「干渉を嫌がる」ようになったという。

▷ 父親の“葛藤”と“限界”

「もう一度話そう」と思っても、少年は“語気を強めて拒否”することが多く、細かく聞き出すことができなかった。
結果的に、家庭としての対応に限界を感じ、父親は「警察の面談に頼るしかなかった」と語っている。

「家庭では届かない。ならば、第三者の指導が抑止力になると……そう思っていたんです」

しかし、それでも“その時”は防げなかった。


【2】母親──存在の輪郭が不明瞭な「空白の母」

報道や証言では、少年の母親に関する具体的な言及は極めて少ない。
一部では、すでに家庭から離れている可能性があるとも見られている。

もしこの家庭が「父・祖父母・子ども3人」の構成であれば、母親の不在は少年の心に少なからず影響を与えていたはずだ。

家庭の“感情の窓口”である母親がいない──
そんな環境で育つことが、少年の孤立感や「逃げたい」という心理を深めていった可能性は十分に考えられる。


【3】祖父──「悪夢だった。できることなら元に戻したい」

少年と最も長く生活を共にしていたのが祖父だ。

祖父は事件後、「思い当たることがないからこそ衝撃だった」と口にした。
中学に進学して以降、少年は家で口数が少なくなり、「おはよう」と言っても返ってこない日が続いたという。

▷ 祖父の“自責と痛み”

事件後、少年が「誰でもよかった」と供述していることを知った祖父は、静かにこう語った。

「それなら我々でよかった。なんで我々じゃなかったんだ……」

これは、単なる悲しみではない。
愛する孫の凶行を止められなかった後悔。
そして、何の関係もない被害者を巻き込んでしまった罪悪感。

その言葉の一つひとつが、心の奥に刺さる。


【4】祖母──「私を殺してくれていたら……」

最も深い感情をあらわにしたのが、祖母だった。

「私たちもびっくりしています。孫がそんなことをするなんて……。
誰でもよかったんなら、せめて私にしてほしかった」

祖母は、少年に最も気を配っていた存在だったという。
「会話しよう」と常に試みていたが、それでも距離は縮まらなかった。

そして事件後、「警察が来て初めて知った」と語ったように、誰も“異変の瞬間”に気づけなかった。


【5】兄弟──「3人きょうだい」と語られた家族の中で

加害少年には、兄弟が2人いると報道されている。
詳細は明かされていないが、家庭内の証言から、年下の弟が少なくとも1人はいるとみられる。

家庭内では兄弟間の関係もぎくしゃくしていたようで、「家族全員と仲が悪かった」と父親は述べている。
少年にとっては、家庭のすべてが「逃げ場のない空間」だったのかもしれない。


■見えなかった“サイン”と、家族の限界

少年は中学2年頃から家出を繰り返していた。
そのたびに警察の「継続補導」によって接触を続けていたが、問題の根は深かった。

「次に何かしたら捕まるぞ」
「家族から言っても聞いてくれない」
「警察からの指導に期待していた」

──それでも、届かなかった。

犯行の夜、少年は夕食を普通に食べ、警察の話題を出されてもまったく動揺しなかったという。
翌朝、逮捕された際も、淡々と状況を受け入れていた。

すでに心の奥で、何かが壊れていたのかもしれない。


■エピローグ:愛していた、でも「どうすればよかったのか」がわからなかった

「子育てに正解はない」という言葉はよく聞く。
だが、間違いは確かに存在する──それが明らかになるのは、たいてい手遅れになってからだ。

今回の事件は、少年1人の狂気だけで起きたわけではない。
家庭という名の“見えない密室”の中で、ゆっくりと進行していた“異変”の積み重ねだった。

祖父の言葉が、その全てを物語っている。

「言葉が出てこない……。どうやって償えばいいのか」


■あとがき:それでも、私たちは“見よう”としなければならない

この事件の加害者は、まだ15歳。
その残酷さと罪の重さは、決して軽くはない。

だが、彼を「怪物」として切り捨てるのではなく、
なぜ、どうして、という問いに社会全体が真剣に向き合うことが、再発防止への第一歩となる。

そして、もしあなたの身近に「最近会話が減った子」がいるなら。
「返事がなくても、声をかけ続けること」が、何より大切かもしれない。

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