『りぼん』『ノンノ』を育てた“編集者の理想形”が遺したもの
少女漫画や女性誌の歴史を語る上で、絶対に外せない人物がいます。その名は――麻木正美（あさき・まさみ）さん。
2025年5月27日、その麻木さんがこの世を去りました。享年93。静かに、しかし確かな存在感を残して。
通夜は6月5日午後6時より、葬儀は6日午前10時30分から東京都台東区の寛永寺 輪王殿にて執り行われます。喪主はご子息の学（まなぶ）さん。
📄 プロフィール
- 氏名：麻木 正美（あさき・まさみ）
- 生年：1932年（昭和7年）4月10日
- 没年：2025年5月27日（享年93）
- 出身地：東京都
- 職業：編集者、経営者（元白泉社代表取締役社長）
- 主な肩書：集英社 編集長／白泉社 代表取締役社長・相談役・顧問
編集者人生のすべてを「読者目線」に捧げた男。新しい感性を見抜く眼力と、地道な現場主義を信条に、数々の名雑誌を生み出しました。
📚 経歴：雑誌という“時代”を創った人
1956年、麻木さんは集英社に入社。当時の出版界はまだ“娯楽”の形を模索していた時代。そこに彼は、マンガとファッションという“感性”の文化を持ち込んだのです。
- 少女漫画雑誌『りぼん』の編集長として、多くの名作家を世に送り出し、少女たちの心をつかむ企画を次々と実現。
- 女性ファッション誌『ノンノ』の編集長も歴任。女性の生き方に寄り添う誌面作りは、今なお受け継がれています。
その後は集英社の取締役を経て、1992年に白泉社へ移籍。
2000年から2004年にかけては白泉社の社長を務め、出版不況の中でも安定したブランド力を維持し、新人育成にも力を注ぎました。
🕊️ 死因と家族構成
死因についての正式な発表はありませんが、老衰または自然な経過によるものと見られています。
葬儀の喪主を務めるのは、息子の麻木学さん。詳細な家族構成は明かされていないものの、麻木さんは家族との時間も大切にし、私生活では穏やかな父であったと関係者は語っています。
👓 麻木正美という人物：無口な情熱家
仕事場では寡黙で無駄を嫌い、会議よりも現場を好む編集者でした。
一方で、作家に対しては一切妥協のないフィードバックを出しながらも、必ず“心”に寄り添う誠実な姿勢を貫いた人。
「本づくりに正解はない。でも、誠意だけは絶対に必要だ。」
そんな信念を持ち続け、時代が変わっても“読者ファースト”の姿勢を貫いた編集者――それが麻木正美でした。
🌸 最後に：編集者の理想形として生きた軌跡
華やかな雑誌の世界。その舞台裏に、静かに立ち続けていた人がいます。
麻木正美さんは、“裏方”ではありません。“創り手”そのものでした。
彼が生み出した雑誌、育てた作家、残した思想は、今も出版業界の中に息づいています。
「売れるか」よりも「心に届くか」を問い続けたその生き様は、今後も多くの編集者やクリエイターたちの道標となっていくでしょう。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
ありがとうございました、麻木正美さん。
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