日本とフィリピンをまたにかけた“国際詐欺ネットワーク”。その中枢にいたとされる男が、ついにフィリピン当局の手によって拘束された――。
名は吉岡竜司（55）。彼は、日本発の特殊詐欺組織「JPドラゴン」のリーダーであり、その背後には驚くべき人脈と壮絶な半生が潜んでいた。
■ JPドラゴンとは何者か？
「JPドラゴン」という組織名に聞き覚えがない人でも、「ルフィ」や「広域強盗事件」のニュースを耳にしたことはあるだろう。
今回拘束された吉岡容疑者は、まさにその“ルフィ”と関係を持っていたとされる特殊詐欺グループの中枢人物。警察の見立てでは、JPドラゴンは日本国内の詐欺実行部隊と、フィリピンなど海外に潜む指示役を結ぶ国際的な犯罪ネットワークの一角とされている。
2023年6月、福岡県警は警察官を装った特殊詐欺事件に関与したとして、吉岡容疑者に対し窃盗容疑で逮捕状を取得。そして2025年6月4日、ついにフィリピン北部・ルソン島で彼が拘束された。
■ 吉岡竜司のプロフィール：その素顔は“国際詐欺師”か、それとも…
- 名前：吉岡 竜司（よしおか りゅうじ）
- 年齢：55歳（2025年時点）
- 通称：「今倉」
- ルーツ：なんと彼の父親は、五代目山口組傘下の有力組長。血筋からしてアウトローな人生を歩む運命だったのかもしれない。
- 移住歴：20代前半でフィリピンへ渡り、以降、現地に根を張る。
まさに“裏社会のサラブレッド”。
吉岡はそのキャリアを活かし、現地フィリピンで犯罪組織を形成。「JPドラゴン」は、そうした闇の人脈とビジネスの末に誕生した。
■ 家族構成：表の顔と裏のつながり
吉岡容疑者にはフィリピン人の妻がいるとされる。詳細な情報は少ないが、地元でも裕福な暮らしを送っていたとされ、高級マンションに暮らす様子が度々報じられていた。
また、日本には姉がいるとみられ、過去には家宅捜索を受けていたことも。
犯罪と家族の関係は常に複雑だが、近しい存在がどう受け止めているのかは、今も闇の中である。
■ 生活拠点はどこに？
吉岡が身を潜めていたのは、フィリピン・マニラ首都圏内のマカティ市。
マカティは外資系企業や富裕層が集まる高級住宅地として知られ、治安も比較的良好。そんな場所に、裏社会の男が溶け込んでいたとは、まさに“羊の皮をかぶった狼”。
今回の拘束はルソン島北部だったが、かつての拠点は明らかに“安全地帯”だった。
■ SNSアカウントは？ネット上の痕跡は…
現在、吉岡容疑者の**SNSアカウント（Facebook、Instagram、Xなど）**については、特定には至っていない。
ただし、彼の名前や通称「今倉」で検索した際、いくつかの匿名掲示板や現地コミュニティで話題になっていた形跡もある。
犯罪の影に潜む者たちは、必ずしもデジタルの足跡を残さない。
むしろ“残さない技術”に長けているからこそ、これほど長く潜伏できたのだろう。
■ いま、何が起きているのか？今後の展開
警視庁はすでにJPドラゴンの幹部を逮捕済みで、フィリピン入国管理局も先月、組織メンバー7人を拘束している。
そして今回、リーダーである吉岡の拘束は、JPドラゴン解体に向けた決定打になる可能性が高い。
日本の警察当局は、吉岡容疑者の身柄引き渡しを求めており、今後はフィリピン政府との協議が焦点となる。
■ 編集後記：裏社会の王が落ちた瞬間
吉岡竜司という男の人生は、ある意味で“もう一つのグローバルビジネス”だった。
裏ルートと人脈、そして犯罪という資源を使って築いた帝国。
しかしその王国は、静かに、そして確実に崩れ始めている。
日本の“ルフィ事件”をはじめとする広域強盗が話題になる中、こうした国際的犯罪の実態が次第に明らかになってきている。
そして今、私たちはその核心にいた一人の男の“終わりの始まり”を目撃しているのかもしれない。
コメント