2025年6月5日、ニュース速報に驚きの見出しが走った。
「“マグマ小松”こと40代の会社役員、詐欺容疑で逮捕――被害額はなんと2億円超」
SNSで名を馳せていた「マグマ小松」という男が、ついに詐欺容疑で逮捕された。
情報が拡散するにつれ、X(旧Twitter)やInstagramでは「まさかあの人!?」「見てた見てた!信じてたのに」といった声が続出。
華やかな投稿の裏にあった“真実”が暴かれる今、人々は困惑と好奇心の渦に巻き込まれている。
◆ SNSで築いた「成功者の物語」
マグマ小松。
一度見たら忘れない異名を持つ男は、SNS上で華やかな実業家として絶大な“信頼”を得ていた。
彼の投稿はいつも洗練されていた。仕立ての良いスーツに身を包み、真剣なまなざしで接客する姿。高級時計の知識を語る動画。プロサッカーチーム・京都サンガとの関係性を強調する投稿も多く、「業界人」「信頼される男」のイメージを徹底的に演出していた。
まさに“ブランド化された個人”。
SNSにおいて「信頼されている人が正しい」という風潮を逆手に取ったそのプロモーション戦略は、見事なものだったと言える。
だが、それは本物の信頼ではなく、借り物だったのかもしれない。
◆ 事件の全容:「2億3千万円で転売できる」と持ちかけ…
事件が起きたのは2024年9月。
京都市右京区に住む別の会社役員が2億2千万円をかけて手に入れた、外国製の超高級腕時計が舞台だった。
そこにマグマ小松が現れ、こう持ちかけた。
「その時計、私なら2億3千万円で売れますよ」
「もし転売できたら、差額をあなたにお返しします」
相手はその言葉を信じ、時計を預けた——それが“間違い”だった。
時計は戻ってこず、連絡も次第に取れなくなった。
そして今回の逮捕。詐欺の疑いが一気に浮上した瞬間だった。
本人は現在も「詐欺のつもりはなかった」と否認しているが、警察は“計画的犯行”の可能性が高いと見ている。
◆ 正体は誰だ?マグマ小松の「本名」と「会社」の謎
気になるのは、マグマ小松の本名や実際の会社名。
報道では氏名は伏せられているが、彼が代表を務めていた会社は大阪市中央区に本店を構えていたという。事業内容は、オーダーメードの紳士服や婦人服の製造・販売、さらには時計や貴金属に関するコンサルティング。
スーツの世界だけでなく、高額商品の「転売ノウハウ」などにも精通しているように見せかけていたのだろう。
しかし、現在その会社のホームページは閉鎖されており、詳細は確認できない状態。
「なぜ今、ページを閉じたのか?」
「事件を予見していたのでは?」
といった憶測が飛び交っている。
◆ 成功者の顔を“演じて”いた?
彼のSNSでは、芸能人やスポーツ選手と撮った写真、高級ホテルでの会食、サンガFCの関係者との交流など、リアルと虚構の境界が限りなく曖昧になっていた。
著書の中では、営業術を堂々と語っていたマグマ小松。
だが、今回の事件を通じて浮かび上がるのは、“営業”ではなく“演出”のプロだったという事実だ。
着飾り、知名度を高め、「信用される人間」を完璧に作り上げる——
まさにSNS時代ならではの「デジタル詐欺師」とも言える存在だ。
◆ 被害者は他にも?警察は“余罪”も捜査中
今回の詐欺は単独の犯行なのか? それとも氷山の一角なのか?
京都府警は現在、他にも同様の被害がなかったかを捜査中。
SNSでの影響力を利用して、多数の人々を“信用させていた”以上、今後さらに被害者が名乗り出る可能性は十分にある。
中には、「自分もスーツをオーダーしたが、納品されなかった」「投資案件を紹介された」などの情報も出始めており、事態は拡大の様相を見せている。
◆ 信頼という名の“幻想”をどう見抜く?
今回の事件が投げかける最大の問いは、「信頼とは何か?」ということだろう。
私たちはSNSで“信用できそうな人”を瞬時に判断し、「この人は成功者だ」「この人なら間違いない」と思い込む。
しかし、それは本当に“信用”なのか? それとも“演出された信頼感”なのか?
本物の実力ではなく、上手な演出によって得られた称賛——
それはある意味、もっとも危うい“信頼”なのかもしれない。
◆ 今後の展開に注目——そして警戒を忘れずに
「マグマ小松」こと謎の会社役員が引き起こした今回の詐欺事件。
華やかなSNS投稿、出版、スポーツ界との交流——それらが見せていたのは“虚構”だったのか、それとも“夢を信じた男”の誤算だったのか。
真相はこれから明らかになっていくだろうが、ひとつ確かなのは――
「見た目や肩書きだけでは、人は見抜けない」
ということ。
私たちは今、信頼を簡単に“買えてしまう”時代に生きている。だからこそ、冷静な目と確かな情報のフィルターを持つことが、今まで以上に大切なのだ。
続報が入り次第、この記事は随時アップデートします。
読者の皆さんも、SNSの“カリスマ”にはくれぐれもご注意を——。
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