つい数年前、未来の横綱候補とも囁かれた若者が、今や手錠をかけられて警察署の中にいる——。
2025年4月、山梨県で逮捕されたのは、かつて「天ノ東（あまのあずま）」というしこ名で相撲界に名を連ねた元力士、ムニルオグル武蔵容疑者（22歳）。
容疑は「大麻使用」。しかも、2023年末に施行された改正麻薬取締法に基づく、**山梨県で初の“使用による逮捕者”**というショッキングな一件です。
このニュースは瞬く間に全国へと拡がり、「あの力士が？」「若いのに何があったの？」と驚きの声が飛び交いました。
今回はこの事件の背景と、ムニルオグル容疑者の力士時代、そして人生の転落劇までを掘り下げて解説していきます。
◆ あの若者が…？ 天ノ東（あまのあずま）という力士の素顔
まず、「天ノ東って誰？」という方のために、彼のプロフィールを整理しておきましょう。
▷ 基本プロフィール
- 本名：ムニルオグル 武蔵（むにるおぐる・むさし）
- しこ名：天ノ東（あまのあずま）
- 生年月日：2002年9月24日（現在22歳）
- 出身地：山梨県南アルプス市
- 身長／体重：180cm／89kg
- 所属部屋：玉ノ井部屋
名前の通り、父親が外国出身と見られますが、日本で生まれ育ち、日本の国技である相撲に身を投じた青年でした。
▷ 相撲人生は「わずか2場所」の短命
- 初土俵：令和3年（2021年）3月場所
- 最高位：序ノ口23枚目
- 戦歴：0勝0敗7休（2場所）
- 引退：令和3年5月場所（同年5月）
土俵に立ったのは実質わずか1回、戦績も白星なし。そして2場所目は全休という結果に終わり、そのまま引退。
角界ではよくある「厳しさに負けてしまった若手の一人」として、静かに姿を消していきました。
しかし、彼の人生はそこで終わりではなかったのです——。
◆ 【事件の概要】「不審な車両通報」から始まった、人生の崩壊劇
事件が発覚したのは2025年4月。
山梨県笛吹市石和町で、住民から「不審な車がある」との通報がありました。
駆け付けた警察が車内を調べたところ、中にいた若い男の様子に違和感を覚え、薬物使用の可能性を捜査。結果、大麻を使用していたことが発覚しました。
その男こそが、ムニルオグル武蔵容疑者だったのです。
本人は取り調べに対し、
「使ったことは間違いありません」
と容疑をあっさりと認めたとのこと。
彼が大麻を使用していた期間は、4月上旬から21日頃までの間とされています。県内またはその周辺で使用していたとみられています。
◆ なぜ「逮捕」が大きな話題になったのか？
この事件が注目を集めている理由は2つあります。
① 山梨県で「改正法による初の逮捕者」
2023年12月、麻薬取締法が改正され、それまで違法とされていなかった「使用」そのものが禁止されるようになりました。
これにより、所持していなくても使用が明らかになれば逮捕対象になります。
そして、今回のムニルオグル容疑者の逮捕が、**山梨県でこの新法による“初のケース”**だったのです。
② 元力士という異色の肩書き
過去に力士として相撲界に身を置いていたこと。しかも、若くして引退したという背景。
「相撲界を去ったあの若者に何があったのか？」という物語性が、この事件をよりドラマチックにしているのです。
◆ 家族・住所・SNSアカウントは？
報道を通じてわかっている範囲で、彼の周辺情報も整理しておきます。
▷ 家族構成
現在、家族についての情報は一切公表されていません。親や兄弟の存在も不明。日本名と外国姓が混在していることから、国際的な家庭環境の可能性もあります。
▷ 自宅住所
報道では、山梨県笛吹市石和町在住とされています。ただし、具体的な番地や建物名などは非公開です。
▷ SNSアカウント
SNSでの発信歴やアカウントも、現在のところ特定されていません。
一般名ではないしこ名「天ノ東」や、カタカナ表記の「ムニルオグル」などでも検索されていますが、活動履歴は見つかっていません。
◆ 彼はどこで道を誤ったのか？
短い相撲人生を終えた彼に、どんな“第二の人生”があったのかは明らかではありません。
力士を引退した者の多くは、相撲部屋で裏方として働く、地元で就職する、あるいはまったく異なる業種に転職するなど、それぞれの道を歩みます。
ムニルオグル容疑者の場合は、「無職」と報道されています。
つまり、仕事に就けず、社会からも孤立していた可能性が高い。
夢を追った末に社会からこぼれ落ちた若者が、自分を保つ術を見失い、心の空白を埋めるように大麻に手を伸ばした——そんな物語が浮かび上がってきます。
◆ まとめ：力士は辞めても、人生は続く。その“その後”に光を
この事件は、ただの薬物事件ではありません。
夢破れた若者が、どこにも居場所を見つけられず、最後にたどり着いたのが薬物だった——という、日本社会の縮図とも言える出来事です。
スポーツ選手の「その後の人生」に、私たちはもっと目を向けるべきなのではないでしょうか。
ムニルオグル武蔵容疑者。
「天ノ東」というしこ名が、ただのニュースの中の名前として忘れ去られるのではなく、
同じように夢破れた若者たちへの警鐘として語り継がれていくことを、願ってやみません。
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