2025年4月、埼玉県吉川市のリサイクル業者に持ち込まれた1本のドラム缶。
異様な悪臭を放っていたその中身を確認した作業員が目にしたのは、信じがたい「人の足」だった――。
まるで映画のワンシーンのような衝撃の展開。
しかしこれは、作り話でも都市伝説でもない。実際に起きた凄惨な事件だった。
そこから浮かび上がってきたのは、あまりに悲しく、あまりに残酷な“家族の崩壊”だったのだ。
【Episode1：異臭が知らせた「異常」】埼玉・吉川のリサイクル会社に持ち込まれた“ある荷物”
4月18日。埼玉県吉川市のとあるリサイクル業者で、1本のドラム缶が問題となった。
「なんか…くさいぞ」――誰もが顔をしかめたその臭いの正体は、ただの廃棄物ではなかった。
作業員がふたを開けた瞬間、内部には“人の足”。警察に通報が入り、そこから事件は一気に動き出した。
このドラム缶は、もともと埼玉県所沢市のトランクルームから運ばれたものだった。つまり、“そこ”に保管されていたのだ――遺体が。
【Episode2：ドラム缶の中にいたのは…】判明した“被害者の素性”に、捜査関係者も息をのむ
遺体は激しく損傷していたものの、鑑定により身元が判明。
そこにいたのは、なんと**ドラム缶の契約者の“妻”**だったのだ。
被害者の名前は、保谷美治（みはる）さん、当時39歳。
そして容疑者として浮かび上がったのが、**彼女の夫・保谷仁（ほうや・じん）容疑者（50）**だった。
警察の追及に対して、保谷容疑者は静かにこう答えたという。
「私がやったことで、間違いありません」
その供述には、“殺害”をほのめかす発言も含まれていた。
【Episode3：10年以上も…遺体を隠していた？】時系列で見る「異常な日常」
警察によれば、美治さんの遺体はなんと2011年9月中旬頃から、2025年2月15日までの間、所沢市のトランクルーム内に保管されていたとされている。
つまり――13年以上もの間、彼は“遺体を隠し続けていた”ことになる。
なぜ彼はそんなにも長期間、遺体を隠していたのか？
誰にも知られずにトランクルームに出入りを繰り返していたのか？
近所の誰も、異変に気づかなかったのか？
まさに「闇の中の生活」。その実態が少しずつ明らかになっていく。
【Episode4：夫・保谷仁とは何者か？】表の顔と、裏の顔
では、保谷仁とはどんな人物だったのか？
- 氏名：保谷 仁（ほうや じん）
- 年齢：50歳
- 職業：無職
- 住居：住居不定（事件前は所沢市のアパートで妻と同居）
- その他：2025年4月25日に道路運送車両法違反で逮捕・起訴されていた
警察は、保谷容疑者が遺体を長期間放置していたことについて「計画性や殺意があった可能性が高い」と見ている。
彼の人となりや、過去の交友関係などについても調査が進められているが、現時点ではSNSなどの活動履歴は明らかになっていない。
【Episode5：家族のかたち】夫婦の間に何があったのか
保谷容疑者と美治さんは、かつて所沢市内のアパートで同居していたとされている。
近隣住民によれば、「特にトラブルのようなものは聞いたことがなかった」とのこと。
だが、その裏では何かが確実に壊れていた。
● 子どもがいたかどうかは不明
● 美治さんの家族や親族が、彼女の所在をどう認識していたかも不明
● 失踪届や相談記録も現時点では公表されていない
つまり、この事件にはまだまだ“知られていない事実”が潜んでいるのだ。
【Episode6：50人体制の捜査本部】警察が本気になった理由
この事件を受けて、埼玉県警は異例の「50人体制の特別捜査班」を設置。
死因の特定や殺人罪の立件も視野に入れ、関係者への聴取やトランクルームの利用履歴、金融記録などを徹底的に洗い直している。
遺体には外傷があり、死因との関連性も調査中。
また、保谷容疑者がなぜ遺体を処分せず、あえてトランクルームに“保管”し続けたのかについても、慎重に分析されている。
【ラスト・エピソード：闇の真相はまだこれから】沈黙のドラム缶が語る、13年間の“罪”
一体何があったのか？
どうしてこんなにも時間がかかって、ようやく真相が表に出てきたのか？
保谷仁という男の心の奥にあったもの。
保谷美治さんが最後に見た風景。
沈黙のドラム缶が、語ることのない記憶の中にある「本当の理由」。
事件はまだ終わっていない。
すべてのピースが揃うその日まで、私たちはこの異様な事件の行方を、見届けるしかない。
コメント