恋のはじまりは、たった一つの“いいね”から――。
しかしその先に待っていたのは、甘い夢ではなく、冷酷な現実だった。
マッチングアプリで知り合った女性から「学費が払えないの」と打ち明けられたら、あなたはどうしますか?
もし真剣に惹かれていたら、きっと「助けたい」と思ってしまうのではないでしょうか。
今回逮捕されたのは、そんな“心の隙”に巧みに入り込み、少なくとも1700万円をだまし取ったとされる女。
ロマンス詐欺――愛を装い、金をむしり取る犯罪の、あまりにもリアルで衝撃的な一件です。
■逮捕されたのは誰?“大学生”を名乗ったその正体
警視庁に逮捕されたのは、イラン国籍のヤゴビ花容疑者(通称:斉藤花)。
年齢は非公表。職業は“無職”。それでも彼女は、マッチングアプリ上で自らを「日本の大学に通う女子学生」と偽っていました。
プロフィールは“明るく素直な性格”“将来に夢を持つ努力家”。
そこに投稿された写真は、どこか哀しげで守ってあげたくなるような笑顔。
「私でよければ…一緒にいてほしい」――その一言が、ターゲットの心を一気に掴んだのです。
そしてやがて、彼女は言いました。
「学費が払えなくて、本当に困ってるの……」
その言葉を信じ、現金291万円を振り込んでしまった50代男性。
だが、それは始まりにすぎませんでした。
■「愛してる」は詐欺の入り口 その手口の一部始終
ヤゴビ容疑者が使った手口は、まさに“ロマンス詐欺”の典型例。
① アプリで接触 →
② こまめなやり取りで信頼構築 →
③ 恋愛関係へ誘導 →
④ 金銭的な困窮アピール →
⑤ 情に訴えて送金を促す
実際に送金された金額は、291万円だけではありません。
警視庁は、彼女が同じ男性から総額1700万円ほどをだまし取った疑いがあるとして捜査を進めています。
しかも、この間、彼女は一度も被害男性と実際に会っていなかったとも報じられています。
恋心だけが募り、現実の確認が置き去りになっていく――
それこそが、ロマンス詐欺の恐ろしさです。
■容疑者の素顔は?家族やSNSの情報は…
現在、公に明かされているヤゴビ容疑者の情報は以下の通りです。
- 本名:ヤゴビ花(やごび・はな)
- 通称:斉藤花
- 国籍:イラン
- 職業:無職(大学生と偽る)
- 年齢:非公表
家族構成や親族の情報、自宅住所、またSNSアカウントなどについては、現時点で確認されておらず、報道機関や警察も詳細を控えている模様です。
ネット上でも実名検索では大きな手がかりは出ておらず、意図的に個人の足取りを消していた可能性も否定できません。
この点でも、計画性の高い犯行だったことがうかがえます。
■なぜ騙される?“心のスキ”を突く詐欺のリアル
この事件は、単なる詐欺ではありません。
「愛情」や「信頼」といった、人の心の根本を悪用する、極めて悪質な手口です。
警察関係者も警鐘を鳴らしています。
「年齢にかかわらず、孤独や不安を抱える人ほど狙われやすい。
特にビデオ通話を拒否されたり、金銭の話をされ始めたら注意が必要です。」
被害に遭った男性も、「誰かを愛したかった」その純粋な気持ちが、まさかここまで裏切られるとは思っていなかったはず。
「彼女が嘘をついているなんて、想像すらしなかった」と語る被害者の声は、他人事ではありません。
■ロマンス詐欺を防ぐために、今すぐできる3つの対策
- 金銭の話が出たら即警戒!
→ 金を求める恋人は、詐欺の可能性が極めて高いです。 - 実際に会う or ビデオ通話を徹底する
→ 相手の顔・声・生活環境を確認しないままの関係は非常に危険です。 - 家族や友人に相談する
→ 恋は盲目。第三者の視点を入れることで、冷静に判断できます。
■まとめ|“甘い罠”は、あなたのスマホにも潜んでいる
恋愛の始まりがオンラインでも珍しくない今の時代。
「この人こそ、運命かもしれない」と思う出会いが、まさか詐欺の入口だったとは――。
今回の事件は、誰にでも起こり得る“身近な脅威”を私たちに突きつけています。
心の隙間を狙う“愛の仮面”に、あなたは気づけるでしょうか?
どうか、この事件を「他人事」として読み流さずに。
あなたの大切な誰かを守るためにも、そしてあなた自身を守るためにも、今一度“恋のリスク”について考えてみてください。
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