皆さんは「医療研究者」と聞いて、どんな人物を思い浮かべますか?
どこか遠くの存在で、論文や実験に没頭する“理論屋”のイメージが強いかもしれません。
しかし、今回ご紹介する吉崎歩(よしざき あゆむ)さんは、そんなイメージを軽々と超えてしまう、まさに“医学界のスーパースター”です。
彼の歩みは、医学の常識を塗り替え、患者の未来を変える熱い挑戦の連続。研究室、国際学会、臨床現場、そして大学講座のリーダーとして走り続ける男の物語に、どうか最後までお付き合いください。
第一章:地元・長崎で芽吹いた“医療への情熱”
2008年、長崎大学の皮膚科アレルギー科に所属しながら大学院へ進学。彼はそこで、皮膚という臓器の免疫システムに惹かれていきました。表面に現れる皮膚のトラブルは、時に体の奥深くにある免疫異常のサイン。彼はその“見えない敵”を解明したい一心で研究に没頭。
博士課程は3年で早期修了、2011年3月には医学博士号を取得。普通ならこの時点で満足する人も多いはず。しかし、吉崎さんは違いました。彼の目はさらに高みを目指していました。
第二章:アメリカ・デューク大学での“熱き挑戦”
2011年4月、彼はアメリカの名門デューク大学免疫学部門に飛び込みます。そこは世界トップクラスの研究機関。新しい文化、言語、そして最先端の研究環境に身を投じ、孤独や葛藤と戦いながらも、免疫学の最新技術を身に付けていきました。
「日々の努力が患者の笑顔に繋がる」と信じ、国際的な環境の中で自己を磨き続けた彼は、まさに“不撓不屈”の精神の持ち主です。
第三章:帰国後の東大での“驚異的な躍進”
2014年、帰国後すぐに東京大学医学部附属病院の皮膚科助教に就任。そこから彼のキャリアは一気に加速します。わずか1年で講師に昇進し、2018年12月には乾癬センター長も兼任。難病である乾癬患者の治療と研究に没頭し、多くの患者に希望を届けています。
乾癬は患者のQOL(生活の質)を著しく下げる病気。彼は医師として、研究者として、患者の声に耳を傾け続けました。彼の研究は「理論を実際の治療に役立てる」ことを何より重視しており、現場と研究を行き来しながら医療の最前線を走り続けています。
第四章:2023年、東京大学で臨床カンナビノイド学講座の講座長に
2023年4月、彼は新たな挑戦として、東京大学大学院医学系研究科の臨床カンナビノイド学講座の特任准教授・講座長に就任。カンナビノイドとは、いわゆる医療用大麻由来成分で、痛みや炎症に対して高い医療効果が期待されていますが、まだ研究途上の分野。
彼の熱意は新しい医療の扉を開くべく、未知の世界に飛び込んでいく勇気に満ち溢れています。挑戦は怖いもの。でも彼はこう言います。
「医学は日進月歩。恐れず挑戦し続けることこそ、未来の患者を救う唯一の道だ。」
受賞歴に見る“トップランナーの証”
彼の努力は数多くの賞で実を結びました。2005年の長崎大学学長賞から始まり、国内トップクラスのガルデルマ賞(2009年)、そして2016年には海外のLEO Foundation Gold Awardを受賞するなど、世界に認められた実力派です。
2021年には、全身性強皮症に対するリツキシマブ薬の薬事承認取得に貢献し、東京大学病院病院長賞を受賞。これは、研究が“論文の中だけの理論”で終わらず、患者の命を救うリアルな医療に繋がったことを示しています。
学会活動も妥協なし!研究・臨床・社会貢献の三刀流
彼は学術界の表舞台でも活躍。日本皮膚科学会の専門医であるだけでなく、遠隔医療推進委員や日本臨床免疫学会の代議員など、多岐に渡る役職を担い、学会の運営から認定医の育成まで幅広く貢献しています。
さらに、東京大学のマイクロ・ナノ多機能デバイス連携研究機構の幹事としても活躍し、最先端技術と医学の融合を推進。研究室に閉じこもらず、社会全体の健康向上を目指す姿勢は彼の強い信念の表れです。
彼が語る“医療と研究の真実”
彼がいつも口にする言葉があります。
「研究はゴールじゃない。患者さんの笑顔がゴールだ。」
困難な研究課題に直面し、時には失敗の連続。孤独を感じる日も多い。しかし、その先に患者の笑顔がある限り、彼の情熱は燃え続けます。
彼にとっての医学は、数字やデータではなく“人”。だからこそ、研究と臨床、どちらも手を抜かない。まさに“医学の真のヒーロー”なのです。
未来を見据えて――止まらない挑戦
今後の目標は、新たな医療技術の開発はもちろん、次世代の研究者育成にも力を入れていくこと。研究室で培った知識と経験を若い世代に伝え、医療の未来を託す使命感に燃えています。
彼の挑戦はまだ始まったばかり。免疫と皮膚科学の境界を越え、新しい治療法や診療スタイルを創造し続けるその姿から目が離せません。
まとめ
長崎で生まれ育ち、アメリカで世界と渡り合い、東大で医療の未来を切り拓く吉崎歩。彼の物語は、ただの“医学者の成功譚”ではなく、誰もが共感できる熱い挑戦の物語です。
研究という険しい道をひた走りながらも、患者のために心を砕き、社会に貢献し続ける彼の姿。
これは、未来の医療を形作る貴重な1ページなのです。
次に彼が切り開く新たな扉はどこか?
僕たちも彼の歩みから目が離せません。
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