2025年1月、静かな北海道・旭川市で起きたのは、“実際にポストに届く逮捕状”というかつてない詐欺事件。
電話での脅し、封筒に入った「偽の逮捕状」、そしてその裏で動いていたのは、東京都武蔵野市在住・無職の男──**目賀俊平(33)**だった。
一見、地味にも思えるこの事件。しかしその実態は、これまでの詐欺の常識を覆す、リアルすぎる「心理的攻撃」の結晶だった。
📞 きっかけは、1本の電話から──高齢者を追い詰める巧妙な罠
物語は、1月17日の夕方に始まる。
北海道旭川市に住む70代の男性のもとに、「警視庁の捜査員」を名乗る電話がかかってきた。声の主は、落ち着いた低音でこう告げる。
「あなたの口座が詐欺事件に使われている。至急確認が必要です」
定番の“振り込め詐欺”の入り口のようにも思えるが、この男たちは一線を越えていた。
電話を受けた男性は「心当たりがない」と冷静に対応。だが、詐欺師たちはそこからじわじわと“リアル”を注ぎ込んでくる。
📬 3日後、自宅のポストに届いたのは…「本物のような逮捕状」
再びかかってきた電話には、前回よりもさらに強い調子が加わっていた。
「お宅に“逮捕状”は届いてませんか?」
男性が何のことか分からずにいると、相手は言い放った。
「お送りしてますので、ご確認ください」
1月20日、男性がポストを開けると、そこにはまさに“それ”が入っていた。封筒には「警視庁」「捜査第二課」などと記載され、まるでテレビドラマの小道具のような精巧なデザイン。
中には、身に覚えのない容疑と共に「被疑者:○○」「出頭を命ずる」などと書かれた書類。インクの色、レイアウト、用語の選び方までリアルそのもの。
男性はすぐに警察へ通報。ここから、事件の全貌が明らかになっていく──。
🕵️♂️ 犯人は既に別件で“逮捕済み”!?衝撃の展開へ
警察は、偽の逮捕状が市内のコンビニで作成された形跡を追い、近隣の防犯カメラ映像や店員の証言を精査。
その過程で浮上したのが、既に道外で詐欺事件により逮捕されていた一人の男。
──目賀俊平(めが しゅんぺい)、33歳、東京都武蔵野市在住の無職
彼は、道外の詐欺グループの一員として取り調べを受けていた最中、旭川での犯行への関与も疑われるようになり、裏付けが固まったため、5月14日、警察は正式に再逮捕に踏み切った。
🎙️ 目賀容疑者、あっさりと犯行を認める
取り調べに対して、目賀容疑者はこう語ったという。
「はい。逮捕状を作って投函したのは私です。間違いありません」
証拠が揃っているとはいえ、その淡々とした口調に、警察関係者からも「罪の重さを理解していないのでは」といった声が漏れる。
では、なぜ彼はこのような行為に手を染めたのか?
動機については現在も捜査中だが、詐欺グループからの指示を受けた“実行役”だった可能性が高いと見られている。
👤 犯人・目賀俊平のプロフィール【現時点で判明している情報まとめ】
- 名前:目賀 俊平(めが しゅんぺい)
- 年齢:33歳
- 住所:東京都武蔵野市(詳細な番地は非公表)
- 職業:無職(事件当時)
- 前歴:別件詐欺事件によりすでに逮捕歴あり
- 家族構成:公表されていません(メディア報道でも触れられず)
- SNS:本人と断定可能なアカウントは確認されていないが、同姓同名のFacebookアカウントは存在(警察が関連性を捜査中)
⚠️ あなたのポストにも「罠」が届く時代
この事件が怖いのは、内容の悪質さだけではない。
最大の恐怖は、「紙の手紙=信用できる」という心理を逆手に取っている点だ。
これまで「逮捕状」は、警察や裁判所が正式に送達する“権威の象徴”だった。
それを模倣するだけで、人の心を不安で支配できてしまう──。
この事件は、詐欺の形が今後ますます多様化していく警鐘でもある。
🛡️ 【読者のあなたへ】“本物そっくり”に騙されないために…
- 「警察を名乗る電話」は必ず一度、本人確認の照会を取る
- 書面が届いても、一人で判断せず警察や第三者に相談する
- 怪しい連絡が来たら、迷わず録音・記録を取る
どんなにリアルな演出であっても、本物の公的機関は現金の振込や、電話での指示を行いません。
📌 最後に──現実はフィクションよりも恐ろしい
この事件が私たちに突きつけてきたのは、「リアルは嘘を凌駕する」という冷厳な現実。
テレビの中のような出来事が、ある日突然、あなたのポストに届く。
そういう時代に、私たちは生きているのです。
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