2025年5月6日。
国民的グループ・嵐が、約7年ぶりのコンサートツアーを2026年春に開催し、そのツアーを最後に活動を終了すると発表した。
この一報に、全国のファンは喜びと喪失感の間で揺れ動いた。あの5人が再びステージに立つ――その歓喜も束の間、ツアーの後に“嵐”という名の航海が終わるという事実は、まるで静かな雷鳴のように胸に響いた。
嵐はなぜ今、“終わり”を選んだのか?
ここでは、公式発表の行間に滲む思いと、ファンが心のどこかで感じていた「本当の理由」に迫っていく。
【1】嵐の“最後の言葉”──再集結は「感謝を伝えるため」
まず、今回の活動終了はネガティブなものではなかった。それは、彼ら自身の言葉からも明らかだ。
「コロナ禍で叶わなかった、直接感謝を伝えることを実現したい」
活動休止から約4年半。嵐はファンに向けてメッセージ動画を配信し、「ありがとう」を届けるためにもう一度集まると語った。
リーダー・大野智も久々に姿を現し、5人そろった姿にファンは歓喜。しかしその直後、「このツアーをもって嵐の活動を終了する」と明かされ、ネットは一時騒然となった。
再始動ではなく、有終の美。
“嵐”という名の物語は、自分たちの手でピリオドを打つという選択をしたのだ。
【2】真相に迫る──活動終了の5つの理由
一見、前向きな「区切り」にも見える今回の決断。しかし、そこにはさまざまな背景や葛藤がある。ここからは5つの視点から、活動終了の“本当の理由”を掘り下げていく。
【理由①】大野智の「完全なる休養願望」
嵐の活動休止を最初に切り出したのは、他でもないリーダー・大野智だった。
「すべてから離れたい」「自由な生活を送りたい」──。
それは単なるリフレッシュではなく、芸能界からの“完全離脱”を意味していた。
2021年以降、彼は表舞台に一切姿を現さなかった。CM、バラエティ、SNSすらもない“完全な沈黙”。
今回のメッセージ動画での登場は実に数年ぶりであり、彼の「嵐を再始動させるつもりはない」という意志がにじみ出ていた。
5人でなければ“嵐”ではない──。
それが、再結成を不可能にした最大の要因である。
【理由②】人生のフェーズが変わった
全員が40代に突入した今、それぞれの人生は確実に次のステージへと進んでいる。
- 櫻井翔:報道キャスターとしての地位を確立。ジャーナリズムの世界に軸足を置く。
- 二宮和也:俳優業に加え、YouTubeチャンネル『よにのちゃんねる』で新たな地盤を開拓。
- 松本潤:大河ドラマ『どうする家康』で主演を務め、制作サイドとしてのスキルも高く評価。
- 相葉雅紀:バラエティ番組のMCとしてレギュラーを複数抱え、穏やかな好感度でファミリー層にも人気。
それぞれが独立した人生を歩む中で、「グループ活動を再優先する」という選択肢は現実的ではなくなっていた。
【理由③】「株式会社嵐」の挑戦と限界
2021年、嵐はグループとして「株式会社嵐」を立ち上げた。
メンバー自らが運営に関わり、グループとして新しい可能性を模索する――それはファンにとっても希望の光だった。
しかし、実質的な活動はなく、法人も休眠状態に近いものとなった。
再始動の可能性を探りながらも、「5人の嵐であることの意味」と「現実的な距離感」の間で、ジレンマが続いたのかもしれない。
【理由④】不仲説…本当に仲は良かったのか?
これまで“仲良しグループ”として知られてきた嵐。
だが、活動休止前後には“微妙な空気”が報じられたこともある。
特に波紋を呼んだのは、2019年の二宮和也の結婚発表。当時、松本潤や他メンバーとの間に「事前の相談がなかった」と噂され、一部メディアでは「関係がぎくしゃくしている」と報道された。
その後、松本と二宮が並んで記念撮影する場面もあり、関係修復が見られたが、“全盛期の密な関係性”が保たれていたかは疑問が残る。
不仲ではなく、“成熟した大人の距離感”とも言えるだろうが、少なくとも「気持ちが一つだった頃」とは異なる雰囲気になっていたのは確かだ。
【理由⑤】「自然消滅」では終わらせない美学
「またいつか」「そのうち」とファンの期待を残したまま、フェードアウトする選択もあっただろう。
だが、嵐はそれを良しとしなかった。
もう一度だけ、5人で集まり、ステージに立ち、「ありがとう」と伝えて終わる。
それは、“嵐らしい終わり方”であり、彼らの美学でもある。
ファンへの誠実さ。グループとしてのけじめ。そして、自分たちの物語を自分たちの手で締めくくるという覚悟。
この潔さこそ、嵐というグループが20年以上にわたり愛され続けてきた理由なのだろう。
【結論】嵐は「続ける」より「終える」ことを選んだ
続けることの方が簡単だったかもしれない。現状維持は安全だ。
けれど、嵐は敢えて「終わる勇気」を選んだ。
それは、過去の栄光に縋らず、自分たちの人生を大切にしながら、ファンへの最大限のリスペクトを込めてステージを降りるという選択。
2026年春、5人は再び“風”になる。
それは、始まりのような終わりであり、終わりのような始まり。
嵐がくれた、最後の“贈り物”なのだ。
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